2012年7月15日日曜日

科学について

 「科学的でない」というものは軽視されたり重要視されない風潮にあるように感じます。かくいう私も以前は何となくそのように思っていました。「科学というのは常に進歩しています」とよく言われますが、これすなわちいつの世においても不完全であることの証拠です。完全であれば進歩も何もないでしょうし、大体において科学は人間の作り出した自然を測るための道具に過ぎません。その道具を作り出した人間がそもそも不完全なのですから無理もありません。
 今となっては「天動説」を笑ったりもできますが、現代でも科学で説明できないことは山ほどあります。もちろんいろんな事が解明されてきましたがその大半は「仮説」の範囲を出ていません。飛行機が飛ぶことだって、じつは詳細は明らかにされていないのです。ただ、翼の形によってどのような動きをするか、ということは気が遠くなるほどの実験によって分かっています。これはいわば経験則で飛行機を飛ばしているのであり、科学的根拠(エビデンス)に欠けています。
 分からないことの例を挙げれば、ウナギだってそうです。生態ははっきりしていません。マンボウの生態だって分かっていないはずです。科学とは実はまったくもって万能からは程遠いのです。ですからあまり盲信するのはよくないと思います。科学的な態度とは「これまでこのようなことが明らかとなっている。であればそれを検証しよう」というものです。あまり「科学」を振りかざすのではなく、あくまでも自然の中の一部として生かされているという事実を胸に謙虚な態度で望む必要がある、と思うわけであります。

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